今回は青森県五所川原市蓮沼にある、ギャラリーふゆめ堂で開催された「日本みつばち勉強会」にお邪魔しました。
陶工房ゆきふらしの猿田さんが主宰となり、開催された「日本みつばち勉強会」。
猿田さんから日本みつばちを譲り受けた、個人日本みつばち愛好家の方が多数集まりました。
日本みつばちを譲り受けた後の暮らしの変化や、養蜂の難しさについてのお話も伺うことができました。
日本みつばちとの暮らしに奮闘する個人愛好家の皆さんの、ほっこりエピソードもご紹介します。
気まぐれな日本みつばちに逃げられたエピソード
日本みつばち愛好家の皆さんの中で、一番多かったエピソードが「日本みつばちの逃走」です。
大事に育てていた可愛い日本みつばちが、ある日突然巣箱から居なくなる・・・
皆さん口々に「居なくなって寂しい・・・」とおっしゃっていたのが印象的でした。
9月ころに巣箱から逃げ出してしまったという方が多く、詳しい原因は調査中とのことでした。
また、巣虫が発生してしまったケースもあり、お手入れの難しさも浮き彫りになりました。
巣箱が獣害にあったエピソード
みつばちと言えば美味しいはちみつが採れるイメージですが、甘くて美味しいはちみつが好きなのは人間だけではありません。
養蜂と切っても切れないのが動物による「獣害」。
みつばちが好む環境には、野生動物も住んでいます。
採蜜しようとしたら、巣箱が倒れていて、中身がごっそり無くなっていたこともあったそうです。
サルに持って行かれてしまったそうですが、その後は有刺鉄線などでサル対策。
近くに「ネブタの鈴」(ネブタ祭りで跳人が練り歩く時に体に着ける)を付けたり、ライトを設置したり、番犬を飼い始めたそうです。
日本みつばちへの家族のような深い愛情を感じたエピソードでした。
冬越しに失敗したエピソード
みつばちを愛するがあまり、愛情が裏目に出てしまったことも・・・。
寒さが厳しい青森での冬越しを不安に思い、断熱材で巣箱をしっかりカバー。
暖かく冬越しできるはずが、湿気にやられて全滅してしまったそうです。
また、冬支度の最中にちょっと巣箱がズレてしまい、そこから冷気が入って死んでしまったことも。
冬越しについては、猿田さんからアドバイスを頂きました。
・冬でも暖かい日は巣箱から出て来るので、巣箱の隙間をテープなどで埋めた後は口を開けておく。
・巣箱を温めすぎない。藁を巻いて、通気性を良くすると良い。
寒すぎると、みつばちは死んでしまいますが、暖かい日や穏やかな日は外に出て来ることも。
冬越しのために採蜜を控えたり、保温しすぎないのが冬越し成功のポイント。
みつばちを心配する親心を感じるエピソードでした。
分蜂成功の立役者。キンリョウヘンのエピソード
キンリョウヘンは中国原産のランで、花が発するフェロモンが日本みつばちを呼び集めます。
日本ミツバチランとも呼ばれるほど、日本みつばちの養蜂に欠かせない花です。
西洋みつばちは帰巣本能が高く、家畜として優れていますが、日本みつばちは本来は野生で暮らしていたみつばちのため、気まぐれで、居心地がよくないとすぐ逃げ出してしまいます。
また、西洋みつばちと違い、日本みつばち自体が売買されることはほとんどありません。
蜜の量が少なく、育てるのが難しいという問題もありますが、巣箱に誘引する必要があることが一番の理由であると考えられます。
気難しく、育てにくいと言われる日本みつばちですが、春に行われる分蜂(女王バチが新しい群れを引き連れて巣から飛び立つ)の際、キンリョウヘンを使って日本みつばちを誘引することが出来ます。
新しい巣箱の近くに開花したキンリョウヘンを置くことで、分蜂群を巣箱に誘導します。
猿田さんは、できるだけ分蜂群に手を加えず、自然な形で巣箱に定着して欲しいと考えているそうです。
また、分蜂のタイミングとキンリョウヘンの開花を合わせられるかも大事なポイントになります。
青森では、平内町夜越山で毎年2月下旬~3月中旬に行われる洋ランまつりで「キンリョウヘン」を購入することができるそうです。
インターネット通販では3、000円前後で購入することが出来ます。
日本みつばちの養蜂にチャレンジしてみたい。分蜂群を捕まえて日本みつばちを増やしたい方は購入を検討してみても良いですね。
日本みつばち百貨蜜の試食
日本みつばちの貴重な百貨蜜を試食させて頂きました。
それぞれの地域や採蜜の時期によって、味わいが全く違いました。
写真中央は、猿田さんお手製のみつろうキャンドル。
暖かい光に包まれ、終始和やかな雰囲気で行われた日本みつばち勉強会。
子育てをするように、日本みつばちとの触れ合いを楽しむ皆さんからは笑顔が絶えませんでした。
また来年の百貨蜜も楽しみですね。
ギャラリーふゆめ堂情報
今回、日本みつばち勉強会が行われた場所は、青森県五所川原市にある「ギャラリーカフェふゆめ堂」。
ゆったりリラックスでき、楽しくお話が出来る場として地域の方々に親しまれています。
美味しいコーヒーと一緒に、まったりとした雰囲気を味わいたい方におすすめのカフェです。
不定期でイベントも開催。
今回は、陶工房ゆきふらしの猿田さんご夫妻の作品展が開催されていました。
大人が楽しめる、落ち着いた雰囲気のお洒落なカフェです。
・ギャラリーカフェ ふゆめ堂
〒037-0043
青森県五所川原市蓮沼19-54
0173-35-2355
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。