突然ですが、世界の職業の種類は細かく分類すると数万種類以上あると言われることもあります。日本国内では、厚生労働省が定めている職業分類によると職種の数はなんと 約1万8,000種類以上。

それだけある職業の中で、自分に合った職業を見つけるのは至難の業です。

仮に職務内容が好きであっても、その場所や人間関係などの職場環境も自分に合っているかどうかまでは分かりません。

これはあくまで個人的な印象なのですが、最初から自分の適性と興味にマッチした最高の職業に出合う確率は、宝くじに当選する確率とさほど大きく変わらない気がします。

そこでここでは、たくさんある選択肢のひとつとして「養蜂家」という職業をご提案します。

というのも、はちみつに関する専門メディアをチェックされているくらいですから、本当にもしかしたらですが、養蜂業にも何らかの興味があるかたもいらっしゃるかもしれないと感じたからです。

しかし養蜂業について調べようにも、ネット情報などの二次情報の体験談では、その情報の真偽はなかなか図りにくいものです。その職業のメリット・デメリットをネットで調べても、本当のところはどうなんだろう??   と、やっぱり思ってしまいます。

そうはいっても直接尋ねることのできる知り合いに、養蜂家などそうそういるものでもありません。

営業や総務、SEやプログラマー、はたまた公務員のお仕事をされているお知り合いはいるかもしれませんが、「養蜂家をやっています」という友人や知り合いはなかなかいないかと思います。

そこでこの記事では経験と文字数が許す限り、中立な情報をお伝えして養蜂家の魅力やメリット・デメリットをお伝えできるようこころがけて書いています。

親が養蜂業をやっていてその会社を引き継いだわけでもなく、会社勤めを経て養蜂園を開業しましたので、もちろんその道一本でずっとやってきたわけでありません。そんな事情から、養蜂業の実情について偏りのない情報にはなるかとは思います。

本業にしろ副業にしろお小遣い稼ぎにしろ、この記事が養蜂業に関心のある方の何らかの一助になれたらとても嬉しいです。

目次

養蜂業の歴史

現在の日本の養蜂家はどんな位置づけ??

まとめ

———————————–

1)養蜂業の歴史

世界に数万以上あるとあるといわれる職業の種類。しかしその種類は時代とともに移り変わるものです。ではそもそも養蜂家という仕事はいつからあるのでしょう?その歴史は??

パソコンなどのデバイスを使うわけでもなく、農業や畜産のように植物や動物を扱うしごとでもなく、「昆虫」とともにある風変わりな仕事である養蜂業。そんな仕事はいつからあるのでしょう??

養蜂業の起源を紐解くと、スペイン東部にあるアラーニャ洞窟では蜂蜜を採取する約8000〜9000年前に描かれた壁画が発見されています。

また、紀元前2400年頃の古代エジプトのレリーフには、養蜂の記録が残されています。さらに、古代エジプトではミツバチは神聖な存在とされており、象形文字で王の名前の横に、王位の紋章としてミツバチの姿が描かれていました。

また、中東のイスラエルの都市遺跡で紀元前10〜9世紀のものとされる養蜂場跡が発見されています。

アラーニャ洞窟のある西のヨーロッパからどんどん日本に近づいてきて、アジアではどうでしょう。中国では、紀元前500年ころ春秋時代の氾李という哲学者の著書に養蜂技術の記録があり、このころには養蜂が行われていたのでしょう。

そして日本では、643年に著された「日本書紀」において初めて養蜂に関する記録が確認されます。

2)現在の日本の養蜂家はどんな位置づけ?

そんな長大な歴史をもつ養蜂業。現在の日本での職業的な位置づけはどんなものでしょう??  農業? それとも狩猟業?

扱うものが昆虫であるにも関わらず、実は牛や豚、鶏などを扱っている畜産業の方と同じく畜産家です。

そんな畜産業である養蜂業ですが、他の畜産業とは違った面白いところがあります。

それは牛や豚、鶏などは、それら動物から直接的に生成されたミルクや卵、またはその動物自体の肉をいただきますが、養蜂については蜂が「加工」したものをいただくことにあります。

他の畜産は、動物から直接的にアウトプットされたものですが、蜂蜜はミツバチが花蜜を集めてきて、そこにミツバチたちが自ら酵素を加えて水分を飛ばして蜂蜜へと加工した製品です。そんなミツバチたちの仕事や作業の結果できた「加工品」を頂いて生業にする仕事です。

養蜂業の「面白さ」といっても、かなり抽象的な面白さについての話となってしまいました。

抽象的な面白さだけ伝えられても、実際にその仕事にどんな良い面があるのか、苦労があるのか、そして収益を得て暮らしてゆけるものなのだろうか等、具体的なことを知らなければやってみるかどうか検討などすることなどできません。

まとめ

今回は養蜂業の歴史、日本での職業的な位置づけ、抽象的ながらもその面白さについてお話させていただきました。

次回の記事で養蜂業の具体的なメリット・デメリットについてお話させていただけたらと思っています。

西山リョウ

埼玉県東松山市で一雨養蜂園を経営

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

サイトの新着情報をキャッチする

Push7でプッシュ通知を受け取る:


FeedlyでRSS購読をする:

SNS


>> プッシュ通知やRSSについてはこちらをご覧下さい

クイーンVの推奨記事

  1. 日々のヘアケアにおいて、自然な素材を使った製品が求められるようになっています。そんな中、ハチミツと…
  2. よく知られていることかもしれませんが、日本の養蜂で飼育されるミツバチには西洋ミツバチと日本ミツバチ…
  3. ミツバチは節足動物に分類され、体が頭部・胸部・腹部に分けられ、胸部に3対の脚(あし)を持ち羽で野山…

はちみち大学記事ランキング

最近チェックした記事

    ドクターABのイチオシ

    1. 今回は「奇跡のはちみつ自然療法」を執筆された崎谷博征先生(医学博士)にインタビューをさせて頂きまし…
    2. ハチミツの歴史は砂糖よりもはるかに古く、世界中の古代の人々は、ハチミツを上手に活用して生活をしていた…
    3. 非常においしく栄養価が高くとろみのあるはちみつは、お子さんに与える食材として非常に適しているもののよ…

    ぶんぶんのオススメ

    1. 夏は気温が高くなり、汗をかくことで体内の水分やミネラルが失われやすい季節です。そんな時期にこそ、自…
    2. 近年、セイヨウミツバチのメッカとして養蜂の種蜂や花粉交配用のミツバチを全国に供給している場所があり…
    3. 「ハチミツ療法」の為に食べてもらうハチミツは、クリーンでピュアなハチミツであることが絶対条件です。…

    アーカイブ

    QRコード

    このQRコードで当サイトTOPページが見れます
    ページ上部へ戻る