日本のはちみつ生産量ランキング:都道府県別と国内市場の現状

日本国内で生産されるはちみつは、地域ごとの特性や自然環境によって多様な種類があり、その生産量にも大きな差があります。本記事では、都道府県別のはちみつ生産量ランキングと、日本のはちみつ市場における消費量や自給率の現状について掘り下げて紹介します。


都道府県別のはちみつ生産量ランキング

最新の統計データ(令和5年)によると、日本のはちみつ生産量は約2,600トンであり、上位10都道府県が総生産量の約4割を占めています。以下に最新のランキングを示します。

  1. 北海道: 380.7トン(14.4%) 北海道は広大な自然環境を活かし、日本国内で最も多くのはちみつを生産しています。
  2. 熊本県: 244.6トン(9.3%) 火山灰土壌と豊かな植生により、多種多様なはちみつが生産されています。
  3. 長野県: 184.0トン(7.0%) 高原地帯での養蜂が活発で、リンゴや山桜のはちみつが特徴です。
  4. 広島県: 180.0トン(6.8%) 温暖な気候を活かし、主に柑橘系のはちみつが生産されています。
  5. 秋田県: 165.6トン(6.3%) 冷涼な気候が蜜蜂の活動に適しており、高品質なはちみつが生産されています。
  6. 青森県: 138.0トン(5.2%) リンゴの花を利用したはちみつが有名です。
  7. 和歌山県: 129.8トン(4.9%) 柑橘類を蜜源とした香り豊かなはちみつが生産されています。
  8. 愛知県: 111.0トン(4.2%) 多種多様な蜜源を活用したはちみつが特徴です。
  9. 静岡県: 91.0トン(3.5%) 温暖な気候と豊富な蜜源植物が生産を支えています。
  10. 福岡県: 88.2トン(3.3%) 主に柑橘系のはちみつが生産されています。

※データ出典:令和5年農林水産省 畜産局「養蜂をめぐる情勢」【48†source】。


日本のはちみつ消費量と自給率

日本国内では、はちみつの需要が高い一方で、国内生産量が需要を大きく下回っています。その現状を以下にまとめました。

  • 国内生産量と消費量 日本国内のはちみつ生産量は約2,600トンで、国内消費量約45,000トンに対して自給率は約6%に留まっています。残りの供給は主に中国、カナダ、アルゼンチンなどからの輸入に依存しています。

  • 輸入はちみつのシェア 輸入はちみつの約66%は中国から供給されており、次いでカナダ、アルゼンチンが主要輸入元となっています。このため、輸入品が市場の大半を占めており、価格競争が国内産業に影響を与えています。

  • 国内産業の課題 国内産はちみつの価格は輸入品に比べて高いため、品質や地域特性を活かしたブランディングが必要です。

日本のはちみつ産業の課題と未来

日本のはちみつ産業は、以下の課題を抱えていますが、将来的な可能性も秘めています。

  • 環境の変化 地球温暖化や農薬使用の影響で、蜜蜂の生息環境が脅かされています。この問題に対応するため、持続可能な養蜂環境の整備が求められています。

  • 後継者不足 養蜂業に従事する若い世代が少なく、高齢化が進んでいます。新たな人材育成や若者に魅力的なビジネスモデルの構築が必要です。

  • 輸入依存からの脱却 国内の生産体制を強化し、自給率を向上させることが重要です。特に、地元産品の付加価値を高める取り組みが期待されています。

まとめ

日本のはちみつ市場は、消費量の大半を輸入品に依存しているものの、国内産はちみつの高品質や地域特性が注目されています。また、消費者意識の変化や健康志向の高まりを追い風に、国内産業を支えるための取り組みが求められています。

しかしながら、養蜂業従事者の高齢化や養蜂環境の悪化により、なかなか広がっていかないのが現状ともいえます。日本の場合は特にネオニコチノイドの問題もあり、養蜂業にとっては逆風の環境があります。

今後、養蜂業の持続可能性を確保しつつ、国内生産を拡大することで、日本のはちみつ文化をさらに発展させることが期待されますが、その環境はまだまだ改善の余地が大きいと言わざるを得ません。

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