レンゲソウについて
はちみつには数多くの種類がありますが、その中でも、レンゲソウの花から採れる「レンゲはちみつ」は最もポピュラーで日本を代表するはちみつです。原産地を中国とするレンゲソウは、日本各地に生息しており、暖かくなってきた4月頃にピンク色の花を咲かせ、春の訪れを教えてくれる花としても親しまれています。
また、レンゲソウはマメ科に属し、養蜂発祥の地として知られている岐阜県の県花でもあります。もちろん、今でも岐阜県は養蜂が盛んで、レンゲはちみつの重要な産地となっています。
春に姿を見せてくれるレンゲは、美味しいはちみつを私たちに提供してくれるだけではなく、天ぷらやおひたしにして食べることもできます。
レンゲ畑の減少とはちみつの関係
レンゲソウは、かつての日本ではよく見かける花の一つでした。
なぜなら、野生に生息しているレンゲソウに加えて、以前は田んぼの緑肥として田植え前に蒔かれていたからです。
レンゲの根には、根粒菌と言われる微生物がすんでいます。根粒菌は空気中の窒素から窒素化合物を合成する働きがあるため、レンゲソウを植えることで土を肥やす効果があり、良好な肥料として期待ができます。
しかし、現在では田んぼそのものが減っていることや、化学肥料の登場によってレンゲソウが緑肥として使われなくなったなどの理由で、レンゲ畑そのものを見かけることも少なくなってしまいました。
さらに、ヨーロッパを主な生息地とするアルファルファタコゾウムシが国内に入ってきたことも、レンゲソウを見かけなくなった大きな要因です。アルファルファタコゾウムシは、ちょうど幼虫の時期がレンゲの開花時期と重なり、レンゲの花や蕾などを食べてしまうのです。
アルファルファタコゾウムシによる食害が広がってしまうとレンゲソウが咲かず、はちみつも採れなくなってしまうため、少しでも被害を食い止めようとレンゲソウを蒔く時期を遅らせる、農家の方にレンゲを育ててもらうといった工夫が各地で行われています。
西日本を代表するレンゲはちみつ
今となっては、国内で手に入るレンゲはちみつの約8割は中国産だと言われています。
国産のものは高価で手に入りにくくなってしまいましたが、もちろん日本でも生産されており、主に、関東以西の九州や東海地方で作られています。
しかし、レンゲはちみつに限ったことではありませんが、以前にも増して採蜜量は減少の一途を辿っており、今ではとても希少価値の高いものの代表格となっています。
レンゲはちみつの特徴
淡い黄色や琥珀色をしているレンゲはちみつは、非常にバランスの取れた味で食べやすいため人気があります。また、口に含めばほのかにレンゲの香りがすることもあり、どこか懐かしい気持ちを運んできてくれます。
やさしい甘さでクセがないので、使い勝手もよく、そのままで楽しめるほか、パンやヨーグルト、紅茶などに入れることで、本来の風味を消すことなくやさしい甘みを加えることができます。
そのほか、煮物などに砂糖代わりとして使ったり、お菓子作りに加えたりと料理のレパートリーは無限大です。
ブドウ糖の割合が多いため、低温では結晶化しやすいのですが、水の状態から瓶ごと少しずつ加熱していくことで元の状態に戻すことができます。この時、沸騰させてしまうと、はちみつの風味や質が変化することがあるので気をつけましょう。
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