はちみつ大学がより使いやすくなりました

はちみつの沈殿物とそれの解消法

「はちみつを食べようと思ったら、下に白い沈殿物が出ている」という状況になったことのある人は、非常に多いのではないでしょうか。

今回は、はちみつによくみられるこの「白い沈殿物」について取り上げて、「この白い沈殿物はそもそも何なのか」「白い沈殿物を解消するための方法は?」について解説していきます。

<白い沈殿物は、糖分の結晶などである>

まず、「そもそもはちみつに生じる白い沈殿物は、いったい何なのか」について解説していきます。

はちみつに生じる白い沈殿物は、「糖分が結晶したもの+はちみつが採取された植物についていた花粉などの物体」です。

糖分は、温度が低くなると徐々に結晶化していきます。その温度はおよそ18度程度と言われており、気温がこれ以下になるとはちみつの中に白い沈殿物がみられるようになります。ちなみにもっと温度が下がると、さらに沈殿は進んでいくことになります。特に13度~14度あたりのときに、はちみつはもっとも白い沈殿物を生じさせやすいと言われています。

「どの植物によってとられたか」「精製方法はどのようなものであったか」によって、白い沈殿物の生じやすさ・生じにくさは変わってきますが、それでも、「温度が低くなれば白い沈殿物が生じやすくなること」は共通しています。

ちなみに、はちみつの中でも白い沈殿物を生じさせやすいものとして「ナタネなどから作られたもの」が挙げられます。これは、ほかのはちみつに比べてブドウ糖がよく含まれているからです。たいして、果糖が多くみられるアカシアなどからとられがはちみつや、結晶化しにくい傾向にあると考えられています。

冬場のひんやりとした台所ではこの白い沈殿物が生じやすくなりますが、「冷蔵庫ではちみつを保管している」などの場合は、高い確率でこれが出来てしまうでしょう。

もともとはちみつの中にあった糖分や花粉などが固まっていったものが「はちみつの中に生じる白い沈殿物」ですから、当然この白い沈殿物は人にとって有害なものではありません。また、品質にも問題はありません。

<白い沈殿物を解消するためには「お湯」を上手に使うのが吉>

「この白い沈殿物は、体にとって害になるものではない」「もともとはちみつの中に含まれていたものが白い沈殿物となるわけだから、このまま食べられる」といわれても、実際に結晶化してしまった場合は、かなり食べにくくなります。スプーンを入れて無理にこそげおとしても、トーストにもヨーグルトにもうまくなじみませんし、お菓子に入れてもなかなか混ざりきりません。

このため、この「白い沈殿物」を解消するための工夫が必要になります。

このときにもっとも手っ取り早いのは、「溶かす」という方法です。

やり方は簡単で、一度お湯を沸騰させ火を止めて、少し冷ましてからはちみつの瓶を入れるのです。お湯の熱によって、はちみつの白い沈殿物は少しずつ溶けていきます。

ただこのときに注意したいのが、「直火にかけてはいけない」ということです。はちみつはその豊かな風味が非常に魅力的な食べ物ですが、この風味は高い熱を加えると損なわれてしまいます。サイトによって多少は異なりますが、農林水産省では「60度程度まで」としています。また、さらに慎重な意見を持つお店などは、「40度程度~50度程度。高くても60度程度まで」としています。

このため、必ず「お湯でゆっくり溶かしていく」という工程が必要になるのです。コンロにかけっぱなしの鍋の中でグラグラと瓶を躍らせることは避けましょう。

はちみつの中に生じる白い沈殿物は、あせらずにゆっくりと対処することで「いつものはちみつ」にすることができます。

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