はちみつの便秘改善効果は高齢者にも抜群って本当?

日本人の中で便秘の症状で悩んでいる人は多くおり、人口1000人あたりだと女性で45人、男性で24.5人いるという調査結果が出ています。便秘という症状は個人差があり、苦痛ではなければ3~4日排便がなくても平気と思っている人もいます。そのため実際にはより、悩んでいる方が多くいるのが実情です。

加えて便秘の悩みは高齢化するにつれてその割合が多くなっていきます。腸内環境を改善し、免疫向上や美肌効果、アンチエイジング効果もあるはちみつを取り入れて便秘改善が出来たという論文を今回は紹介します。

何故便秘になるの?はちみつに改善効果がある理由

人間が便秘になる原因は、多くあり食習慣や運動不足による排便に関われる筋肉の蠕動運動がうまく行かないことによって起こります。大腸や小腸は、腸管と呼ばれる筋肉があり、この筋肉は食べ物が通る刺激があることで、ピストンのように便を排出します。

しかし、主に刺激を与える食物繊維が不足していると、食べ物が腸に溜まっていないと錯覚し、うまく押し出す運動が行かなくなってしまいます。加えて、年齢を取ることで、老化現象が始まり、一回の刺激に対して、便を押し出す働きも鈍くなっていくのです。

一旦便秘になると悪玉菌が増加し、活性酸素や過酸化脂質を作り出し腸管を加速させていきます。はちみつは、豊富なブドウ糖・オリゴ糖・グルコース・フルクトースが含まれており善玉菌の大きな栄養源になります。善玉菌は腸内に均一に存在しているわけではなく、偏在しています。加えて、全ての善玉菌が一種類の糖分のみを餌とするわけではありません。はちみつには多くの種類の糖分を手軽に簡単に他の栄養素と一緒に摂ることができるため、便秘改善効果があるのです。

はちみつの便秘改善効果に関する実験

高齢者に対してはちみつを摂取した場合の改善効果とはどのような実験を経て解明したのでしょうか?まずは、実験方法を紹介します。65歳以上の高齢者34人に対して、5g、10g、はちみつを摂らない3つの群に分けて、摂取前、摂取期1~3、摂取後の5つの期間行いました。

摂取期間や事前、事後観察期間は4週間を試験期間とし、合計で20週とした。はちみつの摂取方法はスプーンで一口5gのはちみつを直接摂取した。10g群の場合は2回行った。チェック項目は、一回の排便量、排便回数、便の状態を主に調べ、スコア化し記録した。

実験に使用したのは、アカシアはちみつで、アカシアを選定した理由は、冬でも凍結することがなく最も果糖が多い種類のはちみつだからです。便秘は入っているブドウ糖やフルクトースの量が改善効果が高いため選出しました。普通のはちみつであり、保健機能食品で無いことを確認している。

実験に参加した被験者の条件設定は、運動量や食事等で大きな差がでないように、介護老人施設にいる65歳以上の高齢者34人とした。運動量に大きな差が無いこと、便秘で困っており、看護師による摘便や浣腸と言った治療を行っており、他に病気を持っていないといった条件を満たした人々を選びました。

はちみつを摂取した結果

はちみつを事前に摂取する前の一ヶ月の平均はほぼ、変わらなかった状態が、5g、10gのはちみつを摂取した場合は、一ヶ月で排便の回数や便の形状に有意差は見られなかった。しかし、一回の排便量は著しく増加し、摂取しない群とでは大きな差が開いた。5g、10gとのはちみつの摂取量に比べて量は増えていないものの、はちみつを摂取することで一回の排便量が増え、著しい便秘解消効果が見られた。

摂取一ヶ月目に、排便量の増加は見られたが、一ヶ月後にはその2倍の量の排便が認められ、実験開始三ヶ月目にも改善が見られた。そして摂取をやめて一ヶ月後は減少はしたものの、摂取前に比べてもかなりの改善効果が見られました。

この結果からはちみつを摂取して、便秘解消の効果の実感が出るのは最低一ヶ月必要であること、大きな改善効果の変化が見られるのは、二ヶ月目であること、続ければ続けるほど効果があることがわかりました。はちみつの量も多ければ倍になるのではなく、最低毎日5gの摂取をすれば問題が無いことも判明しました。

この研究に対する期待

はちみつを手軽に5g毎日摂取することで、排便回数や便の質には変化ないものの、一回の便の量が増えることは、大きな便秘解消に繋がるという結果だった。はちみつは、美味しいということから被験者にも人気であるため、毎日食べることが苦痛では無いのも大きな点です。

この実験から、今回の実験ではアカシアを使用したが、他のはちみつでも効果があるのかどうか?他に、便秘解消に繋がる、排便回数や便の質に差があるのかという部分でも注目していくとより多くの便秘の悩みをはちみつで解消できます。はちみつの摂取において直接食べていますが、今回はちみつをスプーンで食べる形で摂取したものの、コーヒー含めた飲料にいれたり、パンに塗ると言った方法でもっと手軽な方法でも結果が出ればより手軽に便秘解消ができる可能性もあります。

便秘は食生活の改善による報告が多い中、年齢を取ることで発生する大腸の蠕動運動の低下による便秘の改善効果が報告されていなかった。高齢者の便秘解消が食品でできる点は大きなメリットが期待されます。

まとめ

便秘は食生活や腸内環境の悪化が発生原因と言われますが、年齢を経ることによる蠕動運動の機能低下によっても発生することが知られています。便秘の発生の年齢を調べると、弱年齢よりも高齢でなおかつ筋力が少ない女性が多く発生するのはそのためです。はちみつにはブドウ糖やオリゴ糖、フルクトースやグルコースが豊富に含まれているので、腸内に住んでいる善玉菌を増やすことができるのです。

便秘の改善効果は、一回の便の量は増やすことができ、5gのはちみつを一ヶ月摂取すると改善が見られ二ヶ月摂取することで大幅な改善が見込めます。この実験でははちみつの種類がアカシア限定であること、摂取の方法が直接スプーンですくって食べる方法のため、他の食材と食べても大丈夫か含めて検討する必要があります。ですが、高齢者に対しても手軽に便秘を改善することができる、数少ない食材なのです。

<参考>
https://core.ac.uk/download/pdf/231061271.pdf

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