ミツバチは、本当は哺乳類??

ミツバチは節足動物に分類され、体が頭部・胸部・腹部に分けられ、胸部に3対の脚(あし)を持ち羽で野山を飛び回る、言うまでもなく「昆虫」です。

しかし面白いことに、ミツバチはその生態や行動を「哺乳類」として把握したほうが理解しやすいと提唱した研究者がいます。

今回は、ミツバチと哺乳類の共通点と、いまだ解明されていない謎に触れてみたいと思います。

目次

ミツバチのコロニーは超個体

ミツバチと哺乳類の類似点

コロニー全体の意思決定は女王が下しているの??

ーーーーーーーー

1)ミツバチのコロニーは超個体

まずミツバチと哺乳類の類似性を観察する上で、ミツバチのコロニーを一つの個体として捉える必要があります。

この考え方を「超個体」といい、ミツバチ1匹1匹が集まり何千、何万の集団となり一つのコロニーを形成しますが、このコロニー全体を一つの生き物として捉える考え方です。

この考え方は特に目新しいものでもなく、およそ100年以上前の研究者が提唱していたものです。

では、このミツバチのコロニーを一つの生き物と考えた場合、哺乳類との類似点はどんなところにあるのでしょう。

2)ミツバチと哺乳類の類似点

1 繁殖力の低さ

哺乳類は、何百、何千個と産卵する昆虫類や魚類と比べ、出産する個体を少なくする生存戦略をとっています。ミツバチも春に何度か起こす分蜂(巣別れ)を一つの繁殖と捉えると、哺乳類と同じく繁殖力は低い生態となっています。

2 哺乳類の体温は36度前後であるが、蜜蜂も巣箱内を36度前後に保つ

ミツバチは巣箱内の温度が低くなると体を振動させることにより熱を生みだし温度を上昇させ、逆に巣箱内の温度が高くなると川や池がら口に含んで運んできた水を撒き温度を低下させることにより、巣箱内をミツバチの生存にとって最適な36度前後に維持します。

3 ミルクの生成

哺乳類は腺組織でこどもに与える白い液状の栄養(ミルク)を生成し与えるが、ミツバチも腺組織で白い液状のミルク(ローヤルゼリー)を生成し、こどもに与えます。

4 こどもを外界と接点のない安全な場所で育てる

哺乳類は、四肢や体が一定の大きさに育つまで、子宮内という外界から独立した環境でこどもを安全に育てます。ミツバチは六角形の巣の中に子孫を残し、その巣に蓋をして外界との接点をなくし安全で環境が一定の環境で成虫になるように育てます。

3)コロニー全体の意思決定は女王が下しているの??

このような哺乳類とのいくつかの類似性から、ミツバチのコロニーを一つの生き物として捉えたとき、分蜂、外敵との戦闘、子育てなどコロニー全体の動きの意思決定は女王蜂の特権なのでしょうか??

しかし「女王」という言葉のイメージとは異なり、ミツバチのコロニーは女王蜂の意思の下に上意下達で活動しているわけではありません。つまり働き蜂は、女王蜂の指示を受けて活動しているわけではないのです。

たしかに働き蜂の卵を産むことができるのは女王蜂だけではありますが、その優位性をもってコロニーの頂点に立っているということではありません。

女王蜂の産卵の調子が悪くなり、子孫を残す効率が悪くなったりした場合、女王蜂は働き蜂たちに処分されてしまうこともあります。

つまり、女王蜂は卵を産む産卵器官であるだけなのです。

では、ミツバチのコロニー全体の意思決定はどのようなメカニズムでなされているのでしょうか。

まとめ

ミツバチたちは巣箱内で外敵の知らせや、どの方角やどの距離に蜜源となる花が咲いているのか等の情報共有を個々で行っているのは良く知られています。

しかしコロニー全体の動きのコミュニケーションはどのように行われているのか、意思決定はどのようになされているのかは、私の知る限り解明されていません。

ミツバチはたった1㎝弱の大きさの生き物ですが、私たちの想像を越えた知らないことがまだまだたくさん残っているのかもしれません。

記事執筆:西山リョウ

埼玉県東松山市で一雨養蜂園を経営

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