ハチに刺されたらどうすればいい?~毒の成分や症状、対処法を知っておこう

ハチは春から秋にかけて活発になる昆虫で、花や果物などの甘いものに集まります。しかし、ハチは人間にとって危険な存在でもあります。

なぜなら、ハチは自分や巣を守るために、鋭い針で刺して毒を注入するからです。ハチに刺されると、激しい痛みや腫れが起こりますが、場合によっては全身にアレルギー反応やショックを起こすこともあります。

特にスズメバチの毒は強力で、目に入ると失明する恐れもあります。

そこで、この記事ではハチの毒の成分や症状、対処方法などについて詳しく解説します。

ハチの毒について

まず、ハチの毒の成分について見てみましょう。ハチの毒はアミン類、低分子ペプチド、酵素類などの化合物で構成されており、「毒のカクテル」と呼ばれることもあります。これらの成分はそれぞれ異なる作用を持ちますが、大まかに言えば以下のようなものです。

– アミン類:ヒスタミンやセロトニンなどが含まれ、刺された部位に痛みや腫れを引き起こします。また、血管を拡張したり収縮させたりすることで血圧を変動させることもあります。

– 低分子ペプチド:メリチンやアパミンなどが含まれ、赤血球や白血球を壊したり、神経系に作用したりします。また、肥満細胞からヒスタミンを放出させることでアレルギー反応を引き起こすこともあります。

– 酵素類:ホスホリパーゼやヒアルロニダーゼなどが含まれ、細胞膜や結合組織を分解したり、溶血したりします。また、アレルゲンとして体内で抗体と反応することもあります。

ハチに刺された時の症状について

次に、ハチに刺された時の症状について見てみましょう。ハチに刺された時の症状は局所症状と全身症状の2種類に分けられます。

– 局所症状:刺された部位が赤くはれあがり、激しい痛みやかゆみを感じます。通常は数日から1週間ほどで治まりますが、場合によっては化膿したり壊死したりすることもあります。

– 全身症状:刺された部位だけでなく、全身にじんましんや紅斑が出たり、口やまぶたが腫れたりします。また、嘔吐や下痢、腹痛などの消化器系の異常や、咳や喘鳴、呼吸困難などの呼吸器系の異常が起こることもあります。さらに、頭痛や眠気、恐怖感などの神経系の異常や、血圧低下や心停止などの循環器系の異常が起こることもあります。これらの症状はアナフィラキシーショックと呼ばれ、命に関わる危険な状態です。

ハチに刺された時の対処法

ハチに刺された場合の対処方法について見てみましょう。ハチに刺された場合は、以下のような応急処置を行います。

– 針を抜く:ミツバチに刺された場合は針が刺さったまま残っていることがあります。その場合は、ピンセットやカードなどで針を抜きます。指で直接つまむと毒を注入することになるので注意してください。

– 水で洗う:水で刺された部位を洗い流します。毒を薄めたり、腫れを抑えたりする効果があります。

– 虫刺されの薬を塗る:抗ヒスタミン軟膏などの虫刺されの薬を塗ります。痛みやかゆみを和らげたり、アレルギー反応を抑えたりする効果があります。

– 保冷剤で冷やす:保冷剤や氷などで刺された部位を冷やします。炎症や腫れを抑えたり、毒の拡散を防いだりする効果があります。

また、アンモニアや尿をかけるという方法は効果がないばかりか感染のリスクがあるのでやめましょう。口で吸って毒を吐き出す方法も危険です。

ハチに刺されないようにするためには

ハチに刺されることは避けたいものです。

予防法としては、以下のようなことに気をつけましょう。

ハチの巣に近づかない:ハチは巣に近づく者に対して攻撃的になります。巣は木の枝や屋根裏などに作られることが多いです。巣を見つけたら速やかに離れましょう。

ハチの好む色や匂いを避ける:ハチは白や黄色などの明るい色や花柄などの模様に惹かれます。また、香水や化粧品、食べ物などの匂いもハチを引き寄せます。これらを避けて地味な色や無地の服装をしましょう。

ハチから逃げる時は慌てない:ハチから逃げる時は慌てて振り回したり叫んだりしないようにしましょう。これはハチに挑発と受け取られてさらに攻撃される可能性があります。静かに素早く立ち去りましょう。

まとめ

ハチは人間や環境にとって必要な益虫ですが、残念ながら毒をもっているので対処法を理解しておくことが必要です。

ハチは人間と共存する貴重な生き物ですが、刺されると危険です。夏場は特に注意して、安全に過ごして頂きたいものです。

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