日本で養蜂されているミツバチは2種類いるって知ってますか?
ミツバチの種類とは?
ミツバチ(蜜蜂)とはハチ目(膜翅目)・ミツバチ科(Apidae)・ミツバチ属(Apis アピス)に属する昆虫の一群です。ミツバチは花の蜜を加工して巣に蓄え、蜂蜜とすることは皆さんもご存知の通りです。
現生種は世界に9種が知られ、とくにセイヨウミツバチは全世界で養蜂に用いられており24の亜種が知られています。
このうち8種が東南アジアの原産であることから、ミツバチの進化は東南アジアからスタートしたと考えられています。
野生のミツバチ種は地理的な条件や行動特性により、それぞれが適した場所にて生育していました。しかし、人が養蜂を行うようになり、養蜂に適したセイヨウミツバチが家畜化されて、広がっていきました。
特にヨーロッパの国々が世界各国を植民地化していったことと同時に、セイヨウミツバチもその国々に広がっていったという歴史があります。
家畜化しているミツバチとは?
この2種ははちみつを作る能力と花粉を媒介する能力が高く、人の生活への貢献度の高いミツバチと言えます。
9種のミツバチ種の中で家畜化されているのはセイヨウミツバチとトウヨウミツバチの2種類になります。
日本で見られるニホンミツバチはトウヨウミツバチの一種です。
日本においてはニホンミツバチ、セイヨウミツバチの2種が養蜂されて、蜜の採取が行われています。
また作物の受粉にも広く用いられますが、トマトやピーマンなどのナス科の果菜類は蜜を出さず特殊な振動採粉を行うためミツバチではなくマルハナバチ(ミツバチ科マルハナバチ属)が使われることが多いです。
セイヨウミツバチの養蜂においては規格化された巣箱を用いて大規模な採蜜が行われます。ニホンミツバチの場合は一部の養蜂家がハニカム人工巣を用いた養蜂を行っていますが、
ニホンミツバチの蜂蜜は、セイヨウミツバチのそれと比べると採取量が断然少なく、市場に出回る蜂蜜の0.1%ほどではないかといわれる程希少です。
また、セイヨウミツバチはその広大な土地から一種の花からのはちみつを作り出すことができますが、ニホンミツバチは日本の地勢から飛躍距離内に一つの花だけが生息している場所は非常に少なく、そのエリアにある様々な花から蜜を集めてきます。
つまり、日本にいるニホンミツバチのはちみつは、いろいろな花の蜜が混ざった状態なので、百花蜜と呼ばれます。セイヨウミツバチのはちみつでも、土地の狭い国に生息している場合はマルチフローラまたは、ポリフローラという名前で百花蜜が採取されています。百花蜜は巣箱ごとに採ってくる花の種類が違うため、それぞれ味が異なり、収穫毎にいろんな花の香りや味を楽しむことができます。
ニホンミツバチはカラダも小さく、性格は攻撃的なセイヨウミツバチに比べ、穏かでよほどのことがないと人を刺したりしません。
巣や住んでいる環境が気に入らなければすぐに逃亡する性質があり、養蜂家としては買いづらい面もあるようです。なかなかあまのじゃくな性格で面白いですよね。
はちみつをお店やネットショップで見かけたときは、百花蜜なのか単一の花や樹蜜なのかをチェックしてみるのも楽しみになるのではないでしょうか。また、セイヨウミツバチのものなのか、ニホンミツバチのものなのかを調べてみて、食べ比べしてみるのも楽しいですね。
私としてはニホンミツバチを好んで養蜂されている養蜂家がおられたら取材に伺いたいと思っている今日この頃です。