はちみつと砂糖、2つの間に互換性はあるのか?
甘みを持つ代表的な食材として、「砂糖」「はちみつ」があります。砂糖をはちみつで、はちみつを砂糖で代用することはできるのでしょうか?
「甘みを出す」という意味であるのなら、砂糖とはちみつには互換性がある
「甘みを出す」ということを目的とするのであれば、砂糖とはちみつには互換性があるといえます。
ただ、砂糖とはちみつは甘さが異なるものです。そのため単純に「砂糖=はちみつの量である」と考えてしまうと、上手く味を出すことができません。
はちみつは砂糖に比べて甘みが強く、だいたい砂糖の1.5倍~1.2倍程度の甘さを持つとされています。そのため砂糖をはちみつの代用品とする場合はレシピの「はちみつの分量」よりも「実際に入れる砂糖の量」を多くしなければなりませんし、砂糖を砂糖の代用品とする場合はレシピの「砂糖の分量」よりも「実際に入れるはちみつの量」をすくなくしなければなりません。
【例】はちみつ20グラムを砂糖で代用する場合は、砂糖の量は24グラム~30グラムとなる
【例】砂糖20グラムをはちみつで代用する場合は、はちみつの量は15グラム~17グラム
となる。
単純に「甘さを出すための調味料として、砂糖をはちみつに、はちみつを砂糖に変えること」は問題ありません。
それでは味わいやカロリーの面ではどうなのでしょうか?
「どんなシチュエーションでも代用できる」というわけではない
砂糖とはちみつは「甘みを出すためことだけを目的とする場合」は、代用できます。しかし調味料や食材は、味を出すためだけに入れられるものではありません。
たとえば、「甘い物」の代表例として知られるお菓子を作る場合は、「はちみつで作るか、砂糖で作るか」でまったく別のものになります。はちみつは独特の風味と香りを料理に出すことのできるものであるためお菓子の材料にもよく使われていますが、一部のケーキでははちみつを砂糖の代用品として使うことはNGです。なぜならはちみつの酵素がたんぱく質に干渉することで、お菓子が上手に膨らまないこともあるのです。また生地がべたべたしてしまい、想定していたお菓子とはまったく違うものになってしまう可能性があります。
また、はちみつの香りや味がなじまないお菓子や料理もあります。
煮物などの場合は砂糖をはちみつに、はちみつを砂糖に変えてもあまり問題にはなりません。特にしょうゆやみそなどのほかの「強い」調味料も使う料理であるのなら、砂糖とはちみつを変えても違和感はないでしょう。しかしお菓子や和え物などに関しては、砂糖が指示されているレシピは砂糖で、はちみつが指示されているレシピははちみつで作っていった方がよいでしょう。
その一方で、「カロリーコントロール」という面からみればはちみつは極めて有用なものだといえます。
前述したようにはちみつは砂糖よりも甘みが強いため、同等程度の甘さを出すために使う量が少なくて済みます。そのうえ、はちみつは砂糖に比べてカロリーが低く、砂糖の4分の3程度のカロリーしかありません。そのため、ダイエットのために砂糖をはちみつに切り替えた場合、砂糖を使って作るのに比べて、2分の1×4分の3=8分の3程度のカロリーに抑えることができるのです。これは非常に大きい違いであるといえます。
はちみつも砂糖も、どちらも非常に優れた調味料であるといえます。また「甘みを出す食材である」という点では共通しています。ただ、その活躍の場やカロリー、甘みの強さは異なります。どちらが良い・悪いといえるものではありませんから、シチュエーションに応じて使い分けたり、料理に応じて変更したりと、上手に付き合っていきたいものですね。