日本在来種である日本ミツバチは1年をどのように過ごしていくのか?

花から花へ、蜜をもとめて飛び回る可愛らしいミツバチ。

現在、日本には2種類のミツバチが生息していることをご存じでしょうか?

世界中の養蜂家のほとんどが飼っている「西洋ミツバチ」と、日本在来種である「日本ミツバチ」です。

市場に出回っているハチミツの大半が「西洋ミツバチ」のハチミツで、「西洋ミツバチ」は長年の品種改良を経て、貯蜜性が高く、逃走しづらく飼いやすいように変化して行きました。

対して、「日本ミツバチ」は日本の森林生まれの日本在来原種。

その土地に長く根付き、品種改良はもとより飼育技術も未発達。貯蜜量の少なさから、養蜂家からは嫌煙されることもありました。

しかし、最近は小さな養蜂ブームが巻き起こり、自宅やオフィスの屋上で養蜂にチャレンジされる方も増えてきました。

家畜である「西洋ミツバチ」に対し、ペットのような感覚で飼う方が多い「日本ミツバチ」。

今回は、普段日の目を見ることが少ない日本ミツバチの1年にスポットライトを当てて行きます。

春の日本ミツバチ

日本ミツバチは、寒さに強く北海道をのぞく日本各地に分布しています。

北限は青森県。7℃前後の気温でも巣の外で活動することが出来ます。

春、梅の花が咲く頃になると、多くの日本ミツバチが巣箱から出て活動を始めます。

冬から春にかけて、女王蜂が産卵を開始し、たくさんの働きバチが育ちます。

ミツバチの数が増えるにつれて、活発に蜜を集め始めます。

集蜜や子育てなど、活動が最高潮になったころ、巣箱内から女王ハチを引き連れてミツバチが飛び出します。

これを「分蜂ぶんぽう」と言い、4月中旬から5月にかけて行われます。

1週間程度の短い期間の間に、複数の女王候補が生まれ、次々と分蜂し、新たな群れを率いて新しい住処を探します。

夏の日本ミツバチ

春・夏は貯蜜性が高く、様子を見ながら採蜜して行きます。

日本ミツバチは、採れる蜜の量が西洋ミツバチの3分の1~5分の1と言われています。

採蜜に関しても、年に2~3回の方もいれば、数年に1回の方もいます。

夏は暑さから、ミツバチの健康管理が大切になる時期。暑さ対策が必要になります。

病気が出やすい時期でもあり、暑さから女王の産卵がストップします。

そして、ミツバチの強敵であるスズメバチが襲来するのもこの時期です。

夏の終盤から秋にかけて、ミツバチを捕食するためにスズメバチが襲来します。

特にオオスズメバチには注意が必要で、単独で襲撃したあと、集団で襲いかかり最後には巣箱ごと乗っ取られてしまうこともあります。

しかし、日本ミツバチも負けていません。

スズメバチが近づくと、門番たちが一斉に腹部を持ち上げて左右に震わせます。日本ミツバチ特有の「シマリング」と呼ばれる行動で、警戒態勢になり、敵を威嚇します。

時には群れでスズメバチを攻撃することもあり、巣に近づいたスズメバチをミツバチで取り囲み、熱殺することがあります。

秋~冬の日本ミツバチ

暑さでストップしていた産卵が再開し、越冬の準備が始まります。

越冬するためには、蜜のたくわえが必要になります。また、秋に蜜が入りすぎると越冬を担う秋生まれのハチが減ってしまいます。

ミツバチの寿命は約1か月と短く、越冬するためのハチが必要になります。

様子を見ながら適度に採蜜し、冬の到来に備えます。

寒さが進むとともに、産卵が減り、ミツバチの量も減って行きます。

本格的に寒くなる前に、ケースや雪囲いなどで防寒対策をします。

巣箱の中のミツバチは、中で蜂球を作り、体を寄せ合って必死に温度を保っています。

そして、静かに集団生活をしながら春を待ちます。

暖かい地域や蜜源をもとめて移動する西洋ミツバチに対し、その土地に長く根付きの、日本の自然に適応してきた日本ミツバチ。

野生の中でたくましく生き抜く習性を持っている反面、環境が気に入らないと逃走するといった気まぐれな一面もあります。

そんなちょっとだけ人間に近い感覚を持ち合わせているところが、多くの日本ミツバチファンを生み出しているのかも知れません。

様々な蜜源から集められた「日本ミツバチ」の百貨蜜も魅力の一つ。

どこかで百貨蜜を見かけたら、日本ミツバチの可愛らしさを思い出しながら頬張ってみて下さい。

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