リトアニアのはちみつってどんなものがあるの?~KITANOMORI 和田さんインタビュー
このたび、昨年末のみつばちサミットでお知り合いになったKITANOMORIの和田さんにインタビューをさせて頂きました。
みつばちサミットのブース展示でリトアニアのはちみつを扱われているということで興味を持ちました。
リトアニアってどんな国なのか? リトアニアのはちみつってどうなの?と頭に質問が浮かんだ人も多いと思います。私も同じです。
ということで色々と質問にお答え頂きました。ぜひご覧くださいね。
はちみつの事業をされることになったのか、きっかけについて教えてください。
私は元々、輸入ビジネスと食べ物に興味があったのですが、幕張メッセで開催されたFOODEX JAPANという展示会に行き、色々な食品を見てまわった時に、北欧のはちみつと出会ったのがきっかけです。
食べてみたところとても美味しく、そこで初めてはちみつの素晴らしさを知りました。
自分が輸入してみたいものを考えた時に改めて、様々な国のはちみつを食べてみたのですが、翌年、同様のイベントに参加した際、リトアニアのはちみつの業者とご縁ができました。
私なりにリトアニアについて調べたところ、そこの魅力や歴史、そして自然がとても豊かな土地だと知り、実際に現地を訪れてリトアニアのはちみつを輸入したいという気持ちになったのが始まりです。
日本人にはあまり馴染みがないリトアニアについて教えていただけますでしょうか。
私自身、出身が北海道ということもあり、北国限定ではちみつを探していたところ、リトアニアのはちみつに出会ったのです。
リトアニアは北欧の小さな国で、ラトビア、エストニアと一緒にバルト三国と呼ばれています。リトアニアは90%ほどが森林と湖と言われていて、ほとんど手つかずの自然が残っている国です。
ロシアと隣り合わせで占領下にもあったので、言語はリトアニア語とロシア語が使われています。
特徴的な部分といえば、リトアニアは、現在キリスト教が主ですが、古くは自然信仰の国なのでそこは日本と共通しているということです。
日本も多神教で自然の神様を崇めていたという歴史がありますが、リトアニアも火の神様などいて、自然の流れと共に人の時間も流れていくという自然が根付いた暮らしをしている国だと感じています。
リトアニアでは、実際にはちみつをとっているところを見学されたのでしょうか。
そうですね。いくつか養蜂家さんを訪問させていただき、食事をご馳走になることもありました。養蜂家さんならではのはちみつの食べ方もあり、面白かったですね。
リトアニア産のはちみつの特徴について教えてください。
リトアニアのはちみつの濃厚さは、北欧によく見られるようなものだと感じています。白く濁っているのですが、クリーミィで厳しく処理をしていないのが特徴です。はちみつの中に茶色い粒(ビーブレッドの欠片)が残っていることもあり、そういうところが凄く魅力的だと感じています。
販売の視点で言うと、北欧には様々なはちみつがありますが、一つの商品が固定化されていないことが面白いと思いました。
私が取引させてもらっている会社は、千軒ほどの養蜂家さんと提携を結んでいて、プロポリスやお薬に使うものなども手がけています。はちみつは特に気候や季節によっても仕上がりが大分違ってくるので、多少去年と何かが違ったとしても、それを楽しんでもらえるような所に売っていきたいそうです。
リトアニアには、はちみつ文化が溶け込んでいるのでしょうか。
そうですね。一般家庭ではなく養蜂家さんを訪れたということもあるかと思いますが、リトアニアでは、はちみつ尽くしの料理しか出てきませんでした。リトアニアのガイドブックにはお土産として必ず蜂蜜がでてくるほどの、特産品です。
きゅうりも、私たちはもろきゅうとして食べていますが、あちらでは、はちみつと一緒に食べています。日本に帰ってきて調べたところ、日本では遊びのある食べ方として「はちみつ+きゅうり」の組み合わせはメロンの味がするという説もあり、面白いと思いましたね。
また、ディップを作る時にはちみつを入れることもあります。そうすることで、とても食べやすくなります。
リトアニアは自然信仰の国なので、おばあちゃんから風邪をひいた時にはちみつを食べるように言われて治した、なんていう自然療法的な文化もあるようです。
はちみつに関する事業をされていますが、今年で何年目になるのでしょうか。
初めて販売したのは昨年7月のはちみつフェスタになるので、本格的に取り掛かるようになったのはここ一年ほどです。
どのような部分にやりがいを感じられていますか?
まず、リトアニアのはちみつが、かなりニッチであるということに魅力を感じています。はちみつ好きでマニアの方には本当に興味を持ってもらえますし、美味しいとおっしゃっていただけるのが、やりがいですね。
昨年のはちみつフェスタでは、ワイン好きの方にも好評をいただきました。ワインのテイスティングのように、はちみつは季節や場所によって味わいが変わりますし、それが面白いという声もありました。
お客さんに自分の手が届く範囲で、少しでもリトアニアのはちみつの良さを知っていただきたいという思いで販売しています。
こちらのお店で取り扱っているはちみつの特徴について教えてください。
当店では5種類のはちみつを取り扱っています。そのうちオーガニックのものは「森の百花蜜」「春の百花蜜」「夏の百花蜜」になります。それに加えて「リンデンの花はちみつ」と「ヒースの花はちみつ」を販売しています。
今、一番人気があるのは「ヒースの花はちみつ」です。日本ではあまり馴染みがないのですが、つぶつぶ感があり皆さん面白いと言っていただけます。ジャリジャリ系のはちみつが好きな人にはとても喜んでもらえます。
ヒースは元々、メディカルハーブとして荒地に咲く花です。少し黒糖のような馴染みある味わいに仕上がっています。
リンデンもすごく人気があります。ただ、女性には人気ですが、香りによっては好き嫌いが分かれますね。アロマティックな香りなので、ハーブティと楽しんだり、寝る前に食べるために購入される方が多くなっています。
おすすめの食べ方について教えてください。
用途で使い分けています。
例えば、ヒースはそのままスプーンで召し上がる方が多いのですが、ヨーグルトに入れてあげるとつぶつぶ感がアクセントになります。
オーガニックのはちみつは料理に使うと癖がなく、料理の邪魔をせずに使い勝手がいいですね。単体で食べても、食べ比べしてみるとそれぞれ個性があるので面白いと思います。
私はお酒も飲みますが、ちょっと気に入らなかった赤ワインがあった時にはそこにはちみつで作ったマーマレードを入れてあげると、簡単なサングリア風になり美味しく頂くことができます。
今後のビジョンについてお聞かせください。
今年のリトアニアの天候はわかりませんが、5月に聞いたところによると少し雨が多く、お花の咲きが遅いようです。今年の仕上がりの様子を見て、改めて輸入の時期を考えようかと思っています。
最近は、自分でもはちみつを作りたいなという気持ちも芽生えてきました。私は北国出身ということで、最終的には北海道で養蜂をしてみたいという気持ちは以前から抱いていました。北海道とリトアニアは、気候条件が似ているのでいつか取り組むことが出来たらと思っています。
いずれの場合も、リトアニアという国は私のはちみつの原点ですので、そのつながりは今後も大事にしていきたいですね。このはちみつ事業を大きく広げることは考えておらず、自分の手の届く範囲で素朴なリトアニアの味を皆さんにお届けすることが出来たらと思っています。
最後に視聴者の皆さんへのメッセージをお願いします。
はちみつ大学を見ている方は、はちみつマニアの方が多いと思うので、是非、今まで召し上がったことない「リトアニア」という国のはちみつを試して、用途によって使い分けながら楽しんでもらえればと思っています。
どういう養蜂家さんが作っているのかというストーリーもホームページに載せていますし、ラベルも蜜源植物が想像できるようなお花を基調としたデザインにしているので、ジャケ買いも楽しいと思います。気軽にご自身が興味を持ったはちみつを楽しんでいただけると嬉しいですね。
まとめ
質問に対して一つ一つ丁寧にお答え頂く和田さんの話を伺っていると、リトアニアという国にも行ってみたいと思いましたし、はちみつも全部食べてみたいと思いました。(実際に全部買いました)
どれも食べやすく、ご自身で食べるのも良いし、贈答品としても喜ばれるものだと感じました。
6月中はキャンペーンをされているようなので、かなりお得だと思います。ぜひサイトものぞいてみてくださいね。
<参考サイト>
KITANOMORI
http://shop.kitanomori-trading.com