はちみつの色の違い~はちみつの色の違いはどこからくる?
多くの人を魅了してやまない食材のうちのひとつに、「はちみつ」があります。
甘くて香りのよいはちみつは、昔から多くの人に愛されてきました。また、黄色~黄金色を指す言葉として、「はちみつ色」という表現があります。
ただ、「はちみつ色」とはいうものの、実ははちみつの色は非常に多種多様なものです。なかには、想像もつかないような色をしているものもあります。
今回はあまり意識することのない「はちみつの色」に注目して解説していきます。
<はちみつの違いはどこからくる?>
「はちみつ」と一口に言っても、実はその色は大きく異なります。
「はちみつ色」という表現から思い浮かべられるような美しい黄色~黄金色のものもあれば、非常に色が薄くて透明に近い色のものもあります。また逆に、一瞬チョコレートのジャムと見間違うほどに黒い色をしたはちみつもあります。
このような「はちみつの色の違い」は、どこからきているのでしょうか。
正解は、「みつばちがみつを集めてくる植物の違い」です。
はちみつは、みつばちが集めてきた植物の蜜によって作られています。そしてこのみつばちはそれぞれ、「どこの植物から蜜を集めてくるか」が異なります。
たとえば、そばからとられたはちみつは非常に色が濃く、黒にさえみえるものとなります。
また、コーヒーからとられたみつで作られたはちみつの場合は、コーヒーと非常によく似た茶褐色をまとうことになります。
レンゲから取られたはちみつは、「はちみつ色」の表現からイメージされるような黄色~黄金色を持つことになります。
比較的メジャーな植物であるアカシアからとられたはちみつは、やや黄色がかった透明な色を持つことになります。
レンゲやアカシアの場合は、「このはちみつはほかのはちみつと色が違う」と気づくのはなかなか難しいかもしれません。
しかしそばやコーヒーから集めたみつで作られたはちみつは、一目で「いつものはちみつと違う!」と気づけるほどに独特の色を持つことになります。
<色の違い、香りの違い、味の違い>
この「色の違い」は、はちみつ選びの参考にもなります。
人の感じ方は千差万別ですし、すべてのはちみつに同じことが言えるわけではありませんが、一般的に色が濃いほどに味も個性的になってきます。濃厚さが感じられるはちみつに仕上がることも多く、好き嫌いが分かれやすい傾向にあります。対して、色が薄いはちみつは多くの人に普遍的に愛される味に仕上がっていることが多いといえます。
たとえば、上で挙げたものを引き合いに出せば、コーヒーなどが個性的で味と香りが強いもの、レンゲなどが優しくとっつきやすいもの、ということになるでしょう。
個性的なはちみつを味わいたいのであれば色が濃いものを、日常的に使いたいのならば色が薄めのはちみつを……と選び分けるとよいでしょう。
はちみつ専門店に行けば多くのはちみつが売っており、そのカラーリングのバリエーションの多さにも驚かされることでしょう。インターネットで検索するのであれば、「同じ店の」はちみつ同士で比較するとよいかと思われます。
なお、この「花による違い」は、香りにも表れています。
はちみつはその多くが、独特の香りを持ち得ます。採集したみつの「出所」である植物の香りを、しっかり引きついたものになるのです。たとえばコーヒーからとられたみつで作られたはちみつは、一口食べると、コーヒーのフレーバーが豊かに広がります。
この「植物による味の違い」は非常に面白いので、購入する際にぜひ意識してみてください。またそのときには、「はちみつの色もまた、判断材料となりうること」を思い出してみてください。