はちみつ酒の歴史とは~人類史上最古のお酒の話

「はちみつのお酒」という言葉には、2つの意味があります。1つは「はちみつを使ったお酒」の意味であり、もう1つの意味は「はちみつを原材料としたお酒」の意味です。

ここでは後者の意味に注目して、「はちみつを原材料としたお酒」の特徴と歴史について解説していきます。

<人類史上最古のお酒「ミード」とは>

はちみつを原材料とするはちみつ酒は、「ミード(MEAD)」とも呼ばれます。日本ではあまり聞かない名前ではありますが(※ただし現在は大き目のスーパーなどで買うことはできます)、海外では非常にメジャーなお酒であり、特に西欧諸国ではよく見られるお酒だといえます。

はちみつ酒は、「人類史上最古のお酒」と呼ばれています。その歴史はなんと14000年も前にまでさかのぼることができると考えられています。なお当時の人々が人為的にはちみつ酒を作りだしたとは考えにくく、おそらく、「自然に発生したはちみつ酒にたまたま出会った」のではないかと推測するのが自然です。なぜならはちみつ酒の生成法を人類が「確立するのは、その誕生から実に13800年ほども経ってからの19世紀ごろだったからです。

つまり、はちみつ酒は人類史上もっとも古いお酒でありながら、その確立までに長い長い年月がかかったお酒でもあるのです。

詳しくは後述しますが、はちみつ酒はたった3つの原材料から出来ています。はちみつ・酵母・水、この3つがあればはちみつ酒が出来上がります。このようなことから、はちみつ酒は、「たまたまみつばちの巣に水が溜まっていたように見えて、それを飲んだ人間が気分よく酔っぱらったこと」によって発見されたのではないかと推測されています。

はちみつは古代からその甘さ・保存性の高さ・色から珍重されてきましたが、はちみつ酒もまた、その特性から「神から与えられた恵み」として珍重されていたことは間違いありません。

<はちみつ酒の特徴とエピソード>

はちみつ酒は、はちみつと酵母、そして水を合わせて発酵させることで手に入ります。はちみつそのものよりも少し薄い、しかし柔らかな黄金色をまとった優しくきれいな色をしているのが特徴です。歴史上の人物であるジュリアス・シーザーも好んだといわれるこのはちみつ酒ですが、私たちにとってなじみ深いのはむしろ「ハネムーンとはちみつ酒の関係」でしょう。

ハネムーンが「蜜月」と呼ばれることはすでに多くの人が知っていることですが、かつてのゲルマン人の新婦は結婚後一か月間はこのはちみつ酒を作り、人々に振る舞ったといわれています。この「はちみつ酒をふるまう期間」が「蜜月=ハネムーン」とされるようになったと伝えられています。

はちみつ酒はその製法からも分かる通り、非常に柔らかく、優しい味わいを持っています。一般的な「果実酒」とは明確に区別されて語られるべきお酒であり、また冒頭で説明した「はちみつを使ったカクテル」とも区別して語られるべきお酒でもありますが、「はちみつ酒のバリエーション」は存在します。

たとえばはちみつ酒とウイスキー、ソーダと氷を割ったお酒や、はちみつ酒とバニラシュガーとジンジャーエールを合わせたお酒などは、よく楽しまれています。なお北欧の神話においてははちみつ酒とハーブ類を合わせたお酒が登場していますが、令和の現在でも「はちみつ酒にハーブを合わせたお酒」が販売されています。

ちなみにはちみつ酒はホットで楽しむこともできるので、寒い夜長には温めたはちみつ酒を楽しんでみるのも良いでしょう。

お酒は人類とともにあった「長い友達」のうちのひとつではありますが、はちみつ酒はそのなかでも「もっとも古い友人」だといえそうです。

https://japan-mead.or.jp/mead/

https://www.svente.jp/post/mead_cocktail_recipes

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